フェローシップ制度
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フェローシップ制度
(社内外・国内外への派遣・留学をし技術習得を支援する制度)
受講者:室井先生レポートvol.18

政府閉鎖(シャットダウン)と国内線への影響

10月のアメリカ関連ニュースとして、連邦政府の閉鎖(シャットダウン)が大きく報じられました 。10月1日から議会の予算承認遅延により連邦機関の資金が枯渇し、多くの職員が一時帰休となるなど、公共サービスへの影響が広がりました 。
特に、この政府閉鎖の影響が空港業務にも波及し、保安検査担当者の不足や運行調整の遅れにより、国内線で大規模な遅延が多発しました 。研究・学会参加のために国内移動を行う研究者やビジネス渡航者にとっても影響が大きく、アメリカの航空インフラの脆弱性を改めて浮き彫りにする出来事となりました 。

ACVS年次学会での口頭発表と研究交流

研究・学会活動のハイライトは、10月にシアトルで開催された ACVS(American College of Veterinary Surgeons)年次学会 への参加と口頭発表です 。
発表内容は「犬の脛骨骨欠損モデルにおける固定法の生体力学的比較」に関するもので、多くの研究者や臨床家が参加するセッションで成果を共有する貴重な機会となりました 。母国語ではない状況での発表は未だに緊張しますが、今回で3回目の発表となり、前回よりもプレゼンテーションは改善されていたのではないかと感じています 。発表前にはイギリスの大学の教授とsmall talkをしたことも、緊張を和らげるのに貢献しました 。

最新の知見習得と臨床スキル深化

学会滞在中には複数のレクチャーを受講しました 。特に印象深かったのは、前十字靭帯断裂に対する手術時に TPA(Tibial Plateau Angle)が高い症例 の対応についてをテーマとした講演です 。高TPAに対する術式の選択肢、矢状面での調整、骨切り量の判断基準、術後合併症の回避戦略などが解説され、臨床的な判断基準と今までの知見を整理することができました 。
今回の学会参加は、研究成果の発信のみならず、臨床スキルの深化にも直結する非常に有意義なものとなりました 。

学会後のリフレッシュと国際交流

学会の合間には、シアトルの観光スポットである Pike Place Market(パイクプレースマーケット) に立ち寄りました 。夕暮れ後の活気ある雰囲気と、近くにある世界初の スターバックス1号店 で限定コーヒーを楽しむことができました 。
さらに、学会参加を通じて日本から来られた獣医師の方々とも交流する機会があり、研究や臨床の経験を共有しながら、モチベーションをさらに高めることができました 。

総括

10月は、連邦政府閉鎖という社会的な問題に直面しながらも、研究活動の大きな節目である ACVS年次学会での口頭発表 を無事に終えることができました 。研究成果の発信に加え、臨床的な最新知見の習得、そして日本からの獣医師との交流を通じて、専門性とモチベーションを大きく高めることができました 。
今回の経験を活かし、今後の研究・臨床活動に邁進してまいります。

発表時の様子

夕暮れ後のパイクプレースマーケット

室井 謙宏

プロフィール:
日本獣医生命科学大学 獣医学部卒業
日本獣医生命科学大学付属医療センター 整形外科研究生
日本獣医生命科学大学 獣医外科学教室大学院生
日本獣医生命科学大学 獣医学博士号取得
イオンペット動物病院 勤務

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