フェローシップ制度
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フェローシップ制度
(社内外・国内外への派遣・留学をし技術習得を支援する制度)
受講者:室井先生レポートvol.13

5月の現地ニュースとして、全世界でアメリカ留学に必要となるF・M・Jビザを対象とした新規面接の受付が一時的に停止される措置が取られました。これらのビザは主に学生、職業訓練生、交流訪問者に関連するものであり、今回の措置により、新たに渡米を予定していた多くの学生や研究者に影響が及んでいます。停止の理由は、ビザ審査方法の見直しによるもので、アメリカ大使館・領事館の発表によれば、再開時期は未定とされています。この影響は新規申請者だけでなく、ビザ更新予定者にも及び、私自身もビザの更新手続きが行えない状況となり、予定していた一時帰国を延期せざるを得ませんでした。このように、制度変更が突如として発表される現実を改めて実感しました。今後も大学や領事館からの通知に注意を払い、最新情報に基づいて柔軟に対応できるよう心がけたいと思います。

整形外科の分野では、先月は犬の人工膝関節置換術(Total Knee Arthroplasty: TKA)の一般的なトライアルに参加しましたが、今回は新たに開発されたインプラントを使用した手技である「Mammamia」のトライアルが実施されました。この手技は骨切り量の調節がしやすく、インプラントの位置を術中に調整しやすい設計となっています。また、膝関節の屈曲時にも膝蓋骨が滑車に収まり続けるような工夫がなされている点が大きな特徴です。インプラントや専用器具の形状は非常に洗練されており、術者の操作負担を軽減し、術後合併症の発生率を低下させることが期待されています。トライアルでは、術野の展開から骨切り、インプラント設置、可動域確認といった一連の流れに立ち会い、器具の取り扱い補助や測定作業にも関与しました。手技中には複数の試行錯誤が行われ、その中でインプラントの角度や深さの微調整の重要性を学びました。今後、このような高度な技術が日本に導入される際には、今回得られた知識や視点を活かせるよう備えていきたいと考えています。

日常生活では、アメリカならではの娯楽体験として、現地の映画館で『Mission: Impossible』シリーズの最新作を鑑賞しました。アメリカの映画館は座席が広く、リクライニング機能も備わっており、ゆったりとした空間で映画を楽しむことができました。上映前には大音量のコマーシャルや観客の歓声があり、エンターテインメント文化が強く根付いている印象を受けました。また、観客のリアクションも非常に大きく、アクションシーンでは歓声が上がるなど、日本とは異なる映画鑑賞スタイルを体験できたのは新鮮でした。英語音声のみでの上映でしたが、映像表現や登場人物の動き、文脈などから十分に内容を理解することができ、語学学習の実践的な機会としても非常に有意義な時間となりました。

以上が5月の主な活動報告です。制度変更という外的要因への対応、整形外科技術における最新の手技の経験、文化的な感動体験など、さまざまな局面での学びが凝縮された1か月でした。今後もこのような多角的な経験を積み重ねることで、学術的な成長だけでなく、グローバルな視野と柔軟な対応力を兼ね備えた獣医師としての力を養っていきたいと考えています。

イヌ型ロボットを使用した研究の様子

住宅街に突如として出現したヤギの大群

室井 謙宏

プロフィール:
日本獣医生命科学大学 獣医学部卒業
日本獣医生命科学大学付属医療センター 整形外科研究生
日本獣医生命科学大学 獣医外科学教室大学院生
日本獣医生命科学大学 獣医学博士号取得
イオンペット動物病院 勤務

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