11月に入り、朝は寒さを感じるようになりましたが、日中は20℃近くまで上昇するため、心地良い季節となりました。朝の気温が一桁台になる中、半袖Tシャツを着ている方も多く見かけます。
先日、アリゾナ州のフェニックスで開催されたACVS(アメリカ獣医外科学会)に参加してきました。学会では様々な研究報告やレクチャーが行われ、どれも非常に興味深く、3日間があっという間に過ぎました。日本の獣医麻酔外科学会では毎回発表者として参加していたため、今回はその緊張感がなく、より一層楽しむことができました。その一方で、現在行っている研究(プレートの固定方法の強度試験)と同様の発表もあったため、早く論文として提出しなければならないという緊迫感も感じました。
今回の学会で特に興味深かったのは、SSI(外科手術後の手術部位感染)に関するレクチャーです。SSIは特に整形外科手術で重大な問題となり、骨折整復術で使用したインプラントが感染した場合、最も重症化すると骨が溶けて無くなることもあります。発生させないことが最も重要ですが、手術を多く行う中で遭遇する可能性もあるため、新たな対処法を知ることができたのは非常に有益でした。
また、ACVSには多くの日本人の先生方(アメリカの外科専門医、日本で著名な先生、アメリカで働いている先生、日本の大学院生など)が参加しており、昼食や夕食時、そしてハッピーアワー(学会が設定しているお酒の出る交流会)で久しぶりに日本語で情報交換ができました。アメリカでの生活において良い刺激となりました。
来年のACVSはシアトルで開催される予定ですので、興味のある先生方はぜひ一緒に参加しましょう。
※ACVS(アメリカ獣医外科学会)の様子
室井 謙宏
プロフィール:
日本獣医生命科学大学 獣医学部卒業
日本獣医生命科学大学付属医療センター 整形外科研究生
日本獣医生命科学大学 獣医外科学教室大学院生
日本獣医生命科学大学 獣医学博士号取得
イオンペット動物病院 勤務