8月に入りました。カリフォルニアでは朝6時には既に外が明るく、夜8時過ぎに暗くなるので、1日が長く感じることがしばしばあります。日が出ている時間は長いですが、朝と夜は涼しく、湿度も低いので、この時期の日本よりは過ごしやすいかと思われます。UC Davisに来てから、主に2つのテーマの研究プロジェクトを進めています。
本日はその1つである、骨折モデルにおける機械試験の話を書かせて頂ければと思います。
機械試験は物質の強度(硬さ)や特性(変形)を調べる試験であり、調べたい物質に対して曲げ方向や回旋方向に力をかけて試験を行います。工学系分野だけでなく、医学、獣医学など様々な分野の研究で用いられている手法です。今回の研究では、実際の骨折を模した骨に対して数種類のインプラント(プレートやスクリュー)を用いた手術のシミュレーションを行い、どの固定方法がより良いかを調べています。
機械試験は複数方向に対して力をかけるため、数十本単位で手術モデルを作成する必要があり、5月は毎日のように骨折手術のシミュレーションとしてインプラントの固定を行っていました。骨折手術のシミュレーションといっても大層なものではなく、釘と板を用いたDIYをひたすら行っているようなものです。
UC Davisには外科の専門医がいるので、インプラント設置の際に問題が生じた時はいつでも整形外科の専門医に質問できることは、とても良い環境であり、非常に勉強になっています。
現在は機械試験を終え、解析および統計処理の段階に移ったので、引き続き頑張っていきたいと思います。
※左図:セメント固定中 右写真:機械試験後
室井 謙宏
プロフィール:
日本獣医生命科学大学 獣医学部卒業
日本獣医生命科学大学付属医療センター 整形外科研究生
日本獣医生命科学大学 獣医外科学教室大学院生
日本獣医生命科学大学 獣医学博士号取得
イオンペット動物病院 勤務